『鬼の居ぬ間に洗濯』というけれど
赤鬼や青鬼が家にいたのだろうか?
鬼が一家に一匹住みついて
皆を見張っていたのだろうか?
女の人は鬼の目を盗んで
川へ洗濯しに行ったのだろうか?
家の中で鬼と一緒にいると
生きた心地がしなかったのだろう!
こおろぎの声が弱くなった
ちりりりりんと
途切れ途切れでか細くなった
りんりんりんと力強く鳴いて
寂しいわたしを励まして
「頑張れ!」と鳴いてくれていたのに
ちりりりりんと消え入りそう
夜が冷え込んで
足が凍えそうなのだろう
「頑張れ!」と励ましたい
元気がないと寂しい
わが家に落ちる雨だれは激しいけれど
愛のトレモロ
音が賑やかでうるさいけれど
愛のトレモロ
雨の寂しさを消してくれる
愛のトレモロ
嫌なことはどうでもよくなる
愛のトレモロ
じっと聴いていたら元気になった
「腰が痛いです」
「あせらず、ゆっくりと」
「お風呂掃除が嫌です」
「あせらず、ゆっくりと」
「晩ご飯を作りたくない」
「あせらず、ゆっくりと」
「朝が起きれない」
「あせらず、ゆっくりと」
「人より出遅れます」
「あせらず、ゆっくりと」
わたしの神様が近頃めっちゃ優しい
横に細長く伸びた筋雲と
太めの白い綿雲に囲まれて
青空があった
青空からはるばる風が吹いて来た
背高泡立ち草の黄色い花花と
すすきの薄茶色の穂の波を揺らして
青空から風が吹いて来た
あなたを感じた
夢見心地になった
猫を飼っていた
よく体を舐めていた
首、胸、腹、足全部を舐めた
背中は首を後に回して舐めた
頭と顔は前足で顔を洗う仕草で撫でた
足の裏もしっかり舐めた
「舐めて撫でたら心も体も良くなるよ!」
目の前で 教えてくれた
でもただの綺麗好きだったのかもしれない
ビタミンDがただでもらえるそうだ
天気の良い日は沢山もらえて
曇った日は少しもらえて
雨の日はもらえない
歩いたらもらえて
走ってたらもらえて
ベンチに座っていてももらえる
スーパーの行き帰りに歩いて
ついでにもらってこよう!
いつもの道に昨夜の嵐で
どんぐりが沢山落ちていた
ころころと転がって行った者たちを思った
桜の落ち葉は濡れていて
黄や赤や茶の模様を踏みたくなかった
萩の花はかなり散ったけれど
柔らかでしなやかな姿に気持ちが揺れた
ふと来た道を振り返った
秋は後ろを振り向かずにはいられない
疲れて帰って来て休んでいたら
「早く元気を出して!」
もう一人のわたしが急かせるから
「山高帽から鳩を出す程パッパッと
簡単に元気は出ません
元気を出すには時間がかかります!」
でも"ローズ”を聴いていたら
じわじわと涙が滲んできて
不思議に元気が出てきた
"ローズ”に感謝!
「キティちゃん、粘って粘って粘るのよ」
「分かっているけど、もうできないわ!」
「そこを何とか粘るのよ
粘っていれば何とかなるわ
できると思へばできるのよ
粘って粘るのよ
その先のことは何とかなるわ!」