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一瞬の恋

  路傍の花にふと目が行った

    足を止めて見つめた

  葉が散り終わった街路樹のそばで

    ひょろひょろと咲いていた

  小鬼田平子の花に似ていた

    触れもせずに別れた

  路傍の花に恋をした

    一瞬で好きになってしまった

  一瞬の恋もまた恋

    好きな気持ちに嘘はない

  一ミリの嘘もない




  



| 06:56:00
All is well

  冬コートのポケットから出てきた

    一枚の紙きれ

  忘れたくないことを書いていた

    一枚の紙きれ

  捨てるのを忘れていた

    一枚の紙きれ

  卵、チーズ、納豆、チョコ、人参、蓮根

    そして一つの英文

  All is well.







| 07:13:00
背後霊

  爺ちゃんは早く亡くなって

    仏壇の中にいた

  婆ちゃんは仏壇の前で朝晩

    「なんまんだぶ」と唱えていた

  父ちゃんは信心深くて

    神も仏も拝んでいた

  母ちゃんは「天はお見通し」と

    よく言っていた

  背後でみんな揃って

    見守ってくれている

  「爺ちゃん婆ちゃん父ちゃん母ちゃん

      ありがとうございます!」

  






| 07:09:00
小さな恋人

  小さな植木鉢の

     小さなゆずの葉の裏で

  粟粒大の蜘蛛を見た

    日にちが過ぎ

  「さすがにもう生きてないだろう」

    探したら「いた!」

  突っつくと足が動いた

    ガラス戸を開け閉めするたびに

  声をかけてる

    「お元気ですか?」 

  「・・・」

    






| 06:57:00
超どけち

  私はすっぴんが好きで化粧をしない

    でも「女性は毎日するものなのよ」

  「女性のエチケットよ」

    「女性の身だしなみよ」と言われた

   そして「しなくっちゃいけない」自分と

    「したくない」私が喧嘩した

  「もっと綺麗になりたい」と

    化粧品を買った日もあった

  でも朝塗った高価なクリームが夜には落ちた

    「超もったいない!」

  私はほんとは超どけちなのか?






| 06:55:00
雨は雪になって!

   夜の雨が家の外で

    悲しいメロディーを奏でていた 

   悲しいメロディーを聴いてると

    心が沈んだ

  別れた人を

    帰らない日々を

  今更どうしょうもない数々を

    思い出した 

  もしも雨が雪だったら・・・

    音もなく降る雪だったら・・・ 

  こんなに悲しいだろうか?

     

  

 


  



| 07:16:00
にんにくの芽

  台所でにんにくの芽が出た

    白い薄皮から芽が覗いていた

  秋に植えたにんにくは

    もう葉を長く伸ばしていた

  「今頃ね、芽が出てもね、遅いのね!」

    でも野菜も草も芽が出遅れても

  小さいなりに小さいまま

     花も咲いて実も成って種もできる

  だからきっとにんにくも

    小さいながらにんにくになる







| 06:51:00
鴨と鷺と私

  池の土手にいた鴨は

    足が異様にでかかった

  体の半分くらいあった

    大人の革靴を履いた猫だった

  「どうやって歩くの?」

    まず前に出す足をグーで引き上げて

  下ろす時にパーを出して

    グーパーグーパーで歩いた

  「歩いたら何かいいことがあるの?」

    それでも土手に上がって来て

  ゆっくりゆっくり歩いていた

    近くでなぜか鷺が細長い脚で立って

  ずっと私を見張っていた






| 07:20:00
今朝も雨

  外が雨だから心も雨になった

    外と心はしっかり繋がっていた

  雨の日は出かけたくない

    どこへも行きなくない

  このところ晴、雨、晴、晴で

    今朝はまた雨で

  この先もずっと雨雨雨のようで

    心がすっかり雨になってしまった


  




| 07:02:00
私の孤独

   名前も歌も長い間思い出さなかった

    聴いて思い出した

  ムスタキ『私の孤独』

    涙と共に思い出した

  仕事から帰って来て

     アパートで一人聴いた

  孤独も思い出した

    あの時からずっと

  そっと寄り添ってくれてたんだ

    ありがとう!

  私の孤独







| 07:33:00
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