春紫苑の花が咲いていた
道のへりで咲いていた
花はうす桃色が白色を丸く囲み
白色が黄色い餡を包み
うな垂れた桃色の蕾が幾つも
花の周りを巡る
葉は柔らかくて黄緑色で
春もまだ早い頃に咲く花だった
目立たず飾らず
かっこ付けずどや顔せず
静かに咲く野の花だった
朝起きて雨戸を開けたら
生ごみが散乱していた
反省1)生ごみはごみ箱に入れて
蓋をしましょう
「宅配で~す」の声に急いで出たら
マスクをし忘れた
反省2)人と会う時はきちんと
マスクをしましょう
「スーパーへ行こう」と身支度をしたら
『ステイホーム』の要請を思い出した
反省3)要請はちゃんと守って
家に居ましょう
はくせきれいが地面を突っついて
一生懸命何か食べていた
一本足だった
突っつく度によろめいた
尾でバランスを取った
転びそうになったら
一方の羽をパッと開き又すぐ閉じた
人が通っても突っつき続けた
そこへもう一羽が舞い降りた
一本足は「チチチ」と鳴いて
猛スピードで地面すれすれに飛び去った
「がんばれ!」
黒ずくめの女性が突然
わたしの前に現れた
広縁のとんがり帽子が黒で
丈の長いスカートも上着も黒で
首に巻いたスカーフも黒で
靴もバッグも黒で
腰をかがめて杖を突いて
ベンチに座った
わたしも黒ずくめになって
杖に跨って
空を飛びたい
出かける時は
マスクをして
帰って来たら
手洗いをして
新型コロナウイルスを払い除けて
毎日頑張っていたら
手の平を見ると
付いてるようで
人の顔を見ると
口から飛んで来るようで
まるで幽霊!
「家に居てください」
「家から出ないでください」
「人と群れないでください」
「人から離れてください」
わたしは昔からそうしています
用事がなければ家から出ません
とてもシャイなんです
人と話すのが苦手なんです
社交性がないのです
人との距離が十分遠いのです
でも春になると人恋しいのです
どうにもならないわたしの海よ
雨雲が来ると真っ暗になって
大風が吹くと荒れ狂って
大波が岸壁にぶち当たると
一瞬で砕け散って
もうどうにもならないわたしなの
「一体どうしたらいいの?」
「たいていニッコリ笑ったら
元の静かな海になるよ!」
十字路に来て
左方向を見ると
緑色の目の
黒猫がいた
道の真ん中で
尻尾を垂らして
黒牛のように堂々として
顔だけ向けてわたしを見た
どれだけ見ていただろうか?
それからゆっくりと
側溝へ入って行った
わたしは前方へ歩き出した
風邪で38度出た時は
死ぬかもしれないと思った
「体は高熱でウイルスを殺すのです」と
安保徹先生の本にあったから
水を沢山飲み布団を被り
汗を沢山かいたら治った
もう風邪は引きたくない
新型コロナも高熱が出るらしい
用心するに越したことはない
パリス~パリ
ベネチア~ベニス
ブリティッシュ~イギリス
グリース~ギリシャ
インディア~インド
ジャーマニ~ドイツ
国や都市の英語の名前を
一度に教えられ
頭が混乱した
紐を引っ張った
これで覚えられるかしら?