「いいね!」と言われたかったけど
言われなかった
「だめ!」とは決して言われなかったけど
テストの点が言ってた
もっと頑張って
勉強したら良かった
今からでも遅くない
「いいね!」と言ってあげよう
何でも「いいね!」と言って
いつでも「いいね!」と言って
自分を肯定してあげよう
「いいね♡」
ふと見ると
扇風機の顔が埃まみれだった
横の扇風機も白色で目立たないけれど
埃だらけだった
猛暑の中フル回転して
励ましてくれた扇風機
「よし、顔を洗ってあげよう!」
暑いけど止めて分解して洗った
綺麗な顔になった
涼しい風も吹いてきた
「あともう少しよ、頑張って!」
我慢するのが苦手な野菜
我慢させると
育ちが悪く出来もあまり良くない
光も水も土も肥料も
たっぷり与えると
育ちも出来もいい
トマトもナスビもピーマンも唐辛子も言う
「自由奔放に生きたいなぁ!」
わたしも!
これがあの”コロナ鬱”だろうか?
気が滅入るというか
気が塞ぐというか
気が重いというか
機嫌が悪いというか
不機嫌極まりないというか
「ブスっ」としてるというか
何もしたくない
どこへも行きたくない
誰にも会いたくない
ごろんと寝ていたい
強い風が吹いて
テラスに干してあった
椎茸を吹き飛ばした
ざるだけが残った
強い風は何でも吹き飛ばす
カンザスの風は竜巻となり
少女と犬を家ごと持ち上げ
魔法の国へ吹き飛ばした
生身のまま家ごと
天国へ吹き飛ばされたい
夏が終わった
猛暑が終わった
寝苦しい夏の夜が去った
あんなに暑い夏はなかった
強くて逞しい夏だった
一番夏らしい夏だった
”ボス”のような夏だった
すごい夏に圧倒された
もうちょっとで倒される所だった
もう参りました!
うなじの辺りで泣いたり
耳元で泣いたり
腕や手で泣いたり
払っても又来て泣いたり
「やっと泣き止んだ!」と思ったら
目の前によろよろと飛び出て来た
腹が赤く膨らんでいた
わたしの赤い血をたっぷり吸って
飛びにくそうに飛んで行った
”甘酒”といえば祖母
体にいいからと
手間暇かけて
家族のために作ってくれた
今は残ったご飯を粥にして
スーパーで買った麹を混ぜて
炊飯器の保温で作る
一晩待てば出来上がる
やっぱり元気が出る